禁断のプロポーズ

「なにをです?」
と言うと、

「俺とのことをだよ」
と起き上がる。

「智久さんとのことって。

 貴方が、あしながおじさんみたいに、私を助けて養ってくれたって話しかない気がするんですが」

 それは、智久の株が上がるだけの話ではないのか、と思ったのだが、彼は、

「お前が、二千万で俺と援助交際したって話だよな」
と言い出した。

「……物はいいようですね」

「お前もな」

「私、貴方とは、援助交際と言われるほどのことはしてない気がするんですが」

「キスだけで、二千万だぞ。
 それ以上のことをしたら、なにを取られるか。

 そのうち、夏目も金をとられるに違いない」

「なんで夫になる人から、お金をとるんですか。

 っていうか、貴方がそれ以上のことをしたら、命をとりますよ」
と言うと、どうでもよさそうに、はいはい、と言う。

「ほんと、ろくでもないあしながおじさんですね。

 此処まで育てておいて、人の幸せを邪魔するなんて、貴方光源氏ですか」

 そういえば、どっちかといえば、そんな感じの風貌だ、と思って言うと、

「源氏物語って、そんな話だったか?」
と言い出す。