「買えてよかったね」



にこにこと嬉しそうな彼女につられ、僕の頬も緩む。

スキップでもしてしまいそうな様子が……その、うん。

可愛い。



「付き合ってくれてありがとね!」



〝付き合う〟

その言葉が、男女交際とか、そういうものを意識していないことなんてわかっている。

なのに、それでも反射的に反応してしまうんだ。



君の言葉ひとつでどきどきしてしまうんだ。



「あたし、金平糖好きだな!
今までそんなに気に留めてなかったけど!」



それはまた不思議なことを。

気に留めてなかったなんて、そこまで正直に言わなくていいのに。



「なんで好きになったの?」



素朴な疑問を口にすれば、躊躇なく告げられた。



「だって悠が『星みたい』って言ったから!」



頬が熱すぎて、嬉しすぎて、恥ずかしくて。

様々な要素や感情がオーバーヒート。

どうしようもなくなって、涙が滲みそうになる。



初めて呼ばれた僕の名前。

君に呼ばれた、その名前。



色づいて、きらめいて、素敵なものになっていく。