それを踏まえて考えると、役柄の先輩が主人公にあげていたことが面白いな。



中学生の作品。

僕が言うのもなんだけど、どこか幼くて拙い。

だけどそれさえも魅力だと感じさせるものがある。



うーん、良作だなぁ。



「すごい、藤田はなんでも知ってるねー!
あたしばかだから、そういうのちっとも知らないや」



えへへ、と笑う金原さん。

その姿にごくり、と唾を飲みこんだ。



どきどきするし、きっと声だってうまく出せない。

でも、せっかくこんなに近くにいるんだから言いたい。

その時の君の表情が知りたい。



「金原さんは、そのままでいいよ。
……十分だよ」



目を丸くして、嬉しそうにはにかむ。

頬を赤くさせながらありがとう! と髪を揺らす。



そうか。

……そうか。



君はそういう顔をするんだね。

とても、素敵な笑顔だ。



緊張で引きつっていた頬が、自分でも思わず緩むことがわかった。



「でもね、あたし変わりたい。
恋とか、知らないことをたくさん知って、頑張りたいんだ!」



その言葉に目を見開く。