ケタケタと笑い転げる萌絵に、琥太郎が、

「なんの話してんの?」

と、聞いてくる。

「なんでもないってば! もう、萌絵~」

「あはは。ごめんごめん」

まだおかしそうに涙をぬぐう萌絵に、

「じゃあ、そういうことで私、行ってくるから」

と、宣言して早足で教室を出た。

「おい、どこ行くんだよ」

琥太郎が後ろから言ってくるけど、無視して校庭へ出るとグラウンドを目指す。


ああ、顔がまたしても暑いよ。


萌絵にすらバレてたなんて!


こんなにわかりやすいんじゃ、涼にだって気づかれてしまうかも。