柚奈が落ち着くのを待ってから雅の部屋を出てリビングへ行く。

リビングには葵と雅が何やら話している。

雅が私と柚奈に気づいて顔を見るが 機嫌が悪いのか すぐにそらしてしまった。


柚奈の事で怒ってんのかな…

泣いてるのみたら そりゃあね、責めちゃうよ…


雅に対して反応したのは柚奈も同じ。

私に小声で耳打ちしてきた。


「 椿… 先生 怒ってるよね… どうしよう 」

「 とりあえず… 一旦 帰らない?なんか気まずいし… 」


柚奈に帰ろうと言うと 頷く。

私は葵のそばに行き話す。


「 葵、私たち帰るね… 」


雅くんにはどうしよう、言いにくいな…


「 わかった、あとでメールする 」

「 うん。ケーキ、ごちそうさま。雅くんによろしくね 」



私と柚奈を見ない雅の姿を見ては声をかけられず葵宅を出た。

自宅に帰ると、柚奈と床に転がった。


「 あ~ 気が抜ける 」

「 ほんとだね~ ダラける 」



いつもなら 雅が 当たり前に まとわりつくところが、柚奈の涙がキッカケで 溝が出来てしまった。

本当は 何でもない事かもしれない。

でも、私は柚奈を庇い雅を責める言い方をしてしまった。


「 ねぇ 柚奈、雅くんはないでしょ、正直 」

「 ん~… こうやって離れると、先生を恋愛対象には見れないね 」



熱しやすく冷めやすい?



「 柚奈は、当分 恋愛禁止!で、夕飯どうする?」

「 禁止了解~ 夕飯はねぇ 私 辛いの食べたいから 私が作るよ!」


ラッキー!


「 ぜひ作ってくださいまし~ 何でもいいから、辛いのもOK!」


柚奈が買い出しすると言って私には ご飯を炊いておいてと、一人で出かけてしまった。

お米を研ぎながら、雅の事を考える。



謝りたいけど…

無視されたら ヤダなぁ…