チラチラ降る雪、柚奈の微かな恋心は加寿也に受け止められるのか…

考えている間にビデオ屋に着くと、加寿也の車から降りて店内に入る。

何気に加寿也に着いていくと、突然立ち止まり私に振り向く。


「 一緒に入る?ここ 」

「 え… っ!? めっそうもないです!」



いわば男の聖域のれんが目の前にあり、私はすぐさま退散し アニメコーナーに逃げた。


なんなの、あれは!!

誰が作ったのよっ、やだやだ!

あれがあるなら 女子専用があってもいい気がする、アイドルコーナーとかさ。

ま、そんなことより~



何を借りようかと選ぶも私がいるのはアニメコーナー。

加寿也はまだかと店内を見て行くと、すぐに見つけられたが 誰かと話していた。


誰だろ…

見ている私に気づいた相手に ドキッとし、加寿也が振り向く。


や、別に覗いてないから!


「 椿ちゃん、おいで 」


おいで?

呼ばれて 笑みを作りそばに行く。


「 なんでしょう~」

「 紹介するわ、こいつ、雅が昔 家庭教師した教え子の弟で 市橋 圭都、高2。椿ちゃんと同じだな 」


んん? 教え子の弟… 市橋 圭都…くん。

圭都… 毛糸? って おバカ私っ


「 この子は 雅の教え子で 椿ちゃんね。ちなみに 弟の葵と付き合ってるよ 」


あはは、そこまで紹介してくれちゃって…

ありがとっす。


「 椿ちゃんね、よろしく 」

「 うん、よろしく… 」


それにしても また イケメン君だこと~


偶然出会った雅の元教え子の弟、圭都。

地区が違うため 小・中学校は別な上に 高校も違う。



「 加寿也さん、ビデオは…」


選ばないと 葵と柚奈を待たせちゃう。


「 ああ、そうだな。圭都、またな 」

「 はい。椿ちゃんも またな 」

「 うん、またね 」


またね…か。


学校違うから会わないと思うけどね。

ビデオは加寿也と相談した結果、加寿也が好きだと言うミステリーを選び 店を出た。



なんでミステリー…

若者がいるのに…