変わることなく回り続ける運命の
 ひとつひとつの歯車のように
 あたしと彼らの別々のプロローグは
 やがて
 ひとつの大きな物語を紡ぐのです


 神さまはとても気まぐれで、少し意地悪だ。神さまは人間にギフトをくださる。でも、そのぶんの代価を奪ってしまわれる。
 あたしは小さいころから、病院と縁が切れない。命の危険がある病気、とは言えないのだけれど。でも、体が弱いのは確かで。
 きっと、これは「歌うこと」の代価だと、あたしは思っている。
 神さまを恨んだりはしない。
 歌を捨てれば健康になれるよ、と言われたとしても、そんなのはイヤだ。あたしには歌が必要だから。
 生きている意味って、何なんだろう?
 元気に過ごしているときは、生きているって、ちっとも気付かない。具合が悪くなると、とたんに、ひどく弱い命が自分の中にあるってことを痛感する。
 あとは、歌っているときかな。生きているって感じられるの。
 生きている感覚というものがつかめたところで、生きている意味がわかるわけではないけれど。
 だから、あたしは歌いたい。命の意味を探す唄を。