「お母さんも私に聞いたの。“どうして羽にしたの?”って。」 「お袋がか?」 「うん、そう。」 にっこり微笑んだ莉茉が自分の爪へと視線を落とす。 ゆっくりと語られる羽に憧れる理由を聞いて、胸が締め付けられた。 こんなにも、こいつが生きてきた世界は息苦しくて、孤独に溢れてる。 莉茉は望まないだろうけど…。 息の根を止めてやりたいほどに、 …………お前の両親を本気で潰してやりてぇよ。