寵愛の姫 Ⅱ【完】




「うん、あれは絶対に間違いなく莉茉だったよ。」



私が莉茉を見間違えるはずがないでしょう?




ずっと、側にいたんだから。




「……そう、あの子が…。」



ぎゅっとお母さんの手が握り締められる。




「…お母さん、莉茉が一緒にいたのは高崎組、組長の奥さんだったよ。」


「……え?」




お母さんの頬が引き攣った。