……勘弁してくれ。 お袋にベタ惚れの親父が強く言える訳がねぇ。 「お袋、本当に連れて行くなよな。」 「えぇ、“今日”はね。」 「あ?」 今日は? それじゃあ、何だ…。 今日じゃなかったら、莉茉を変な所に連れて行く気なのか? 「おい、ふざけんなよ。」 俺の口から低い声が出た。