「…莉茉は醜くねぇよ。」 「……え?」 驚きに顔を上げる。 「莉茉は、叶や妹を恨んだり憎んだりしなかった。」 「……。」 「そんな人間の心が醜い訳がねぇだろ?」 そっと優しく私の頬を撫でる暁の大きな手。 「お前は、自分が悪いんだって思っちまうぐらい心の優しい女だ。」 「っ、」 ぽたぽたと私の涙がお湯の中へと落ちていった。