「一樹も急に美夜が会社まで来てすまなかったね。」 頼さんの瞳が一樹さんへと向けられる。 「……いえ、とんでもないです。」 恐縮したように一樹さんが頼さんに頭を下げた。 「そうかい?美夜が仕事の邪魔になるようなら、遠慮なく言いなさい。」 「……邪魔なんて酷いわ、頼さん」 「…美夜…。」 剥(むく)れる美夜さんに頼さんから注がれる眼差しは、 ………やっぱり、どこまでも愛おしげで優しい。