「にこっちおっはよー!」
「うああ!のっ、希望…!」
翌週。
瞬と並んで朝の廊下を歩いていると、
後ろから希望が抱きついて頬ずりをしてきた。
「会いたかったぞ〜にこっち」
希望の主張の強い胸が、
ゆさゆさと背中にあたる。
複雑な気分だ。
「お前ら恋愛対象女なのか」
瞬が呆れたような顔で、
希望と私を見てくる。
「えっへへ〜!にこっちは特別〜」
元気そうに笑う希望を見て、
ホッとする。
やっぱり、希望はいつものままだ。
本当にすごいな。希望は。
希望から視線を少し上げると、
そこには微笑をした明君がいた。
「あっ…明君…あの……」
明君にも、しっかり自分の言葉でLINEを送った。
返ってきた返信は、
『虹心は、虹心だから、僕は好きだよ』
そういったものだった。
涙が、止まらなかった。
やっぱり、
希望も明君も、大好きだ…。