『ゔぅ……ひうっ…のっ…ぞみぃ……』
電話の奥のにこっちが、
あの頃のあたしのように泣きじゃくっている。
「にこっちは、言ってくれたよね。
希望は希望でいいんだよ。って。
だからね、にこっち。
にこっちは、にこっちのままでいいんだよ。
バカで、アホで、天然で、なんでも1人で抱え込んじゃう、
そんなにこっちが、あたしは大好きなんだよ」
自分で言って、恥ずかしくなる。
あの頃のあたし、
聞いてますか?
あたしは、バカでアホで天然な、
こんなに素敵な"友達"に出会えたんだよ。
頑張らなくたって、いいんだよ。
認めてもらおうとなんて、
しなくていいんだよ。
ありのままのあなたを、
好いてくれる人が必ずいるから。
「言い出しっぺのにこっちが隣にいなくて、あたしはどうやって友達の意味探せばいいんだよー!」
得意げに笑うあたしと、
鼻水をズルズルとさせながら大泣きするにこっち。
あの頃と、全く、逆だね。
今度は、あたしが、
にこっちを支える番なんだよ。