君に声届くまで。



目が覚めたのは、病院。


顔には酸素マスク。
左手には、分厚い包帯。


あぁ、死ねなかったんだ。


失敗の文字が、
頭をよぎる。


「希望ちゃん…!?希望ちゃん!?」


最初に耳に飛び込んできたのは、
聞き慣れたそんな声。

顔を向けると、
涙で顔をぐしゃぐしゃにした、にこっち。


どうして……?


父と母はいなかった。

後から聞いた話だけれど、
あたしが目を覚まさない間も、
いつもと変わらず仕事をしていたらしい。


「希望ちゃん、大丈夫!?先生、呼ぶね…!」


走り去ろうとしていくにこっちの腕を、
あたしは僅かな力で握った。


にこっちのびっくりした顔。
今でもよく覚えている。