君に声届くまで。



あたしは、
起業家の父親と、医者の母親の家庭に産まれた。
裕福な家庭で何一つ不自由なく、
1人っ子のあたしは育ってきた。


けれど、
父や母から愛情を注がれてると感じたことはない。


両親は、仕事仕事で、
あたしは小さい頃からずっと、
雇われた家政婦さんに預けられていた。


もちろん、家族で出かけたことなんてないし、それどころか、全員で食卓を囲んだ記憶すらない。


お受験で私立小学校に入っても、
父も母も無関心だった。

勉強で学年で1位になっても、
運動でどんなに入賞しても、
決して褒めてはくれなかった。


でも、失敗にはすごく厳しかった。


そんな両親の間に産まれたからか、
あたしは心底他人に興味がなかった。