君に声届くまで。



「ご苦労様。もう終わりでいいわよ」


「はーい!」


最後の図書室掃除。
司書の先生に声をかけられて、
私達は一斉に掃除をやめた。


「やっと1ヶ月やりきった〜!」


希望が伸びをしながら言う。

新学期が始まって、もう1ヶ月もたったのかぁ…。
早いなぁ〜と私は図書室から窓の外を見上げる。


濁った雲が一面に広がる空。
そういえば、今日は雨が降るって言ってたっけ…。

傘持ってきたかな〜…


「俺と成宮、部活行かなきゃなんねーから後よろしくな」


瞬は、大きな手を私の頭にポンッと乗せた。


「は〜い」


私はべーっと舌を出すと、
精一杯の背伸びで、瞬の茶髪に手を伸ばしてワサワサと撫でた。


「うわっ!てめっ!」


ふわりと舞った瞬の香り。
ずっと、一緒だったんだよね…私達。