ずっと思っていたけど…
瞬と希望って、付き合っているんじゃないかと思う。
この前瞬に聞いた時には、
彼女なんていないってはぐらかされてしまったけど、
瞬も希望も、なんだかお似合いな気がする。
それに……
希望の瞬を見る目は、
なんだか友達を見る目じゃない気がして…。
ボーッと瞬を眺めていたら、
大きなピストルの音がして、
次の男子3人が走り出した。
その中の一人に、
私は目を奪われた。
黒い髪を風になびかせ、
いつもとは違う表情で前だけを見つめる男子生徒。
長い手足も、細い身体も、
いつもとは、全く違って……
「嘘……明君…」
明君はそのままトップでゴールすると、
ハァ、と息を吐き、またいつもの表情と猫背になった。
「芹沢ー!12秒71。谷地、13秒33。神山、12秒99」
……あ、明君……運動できない仲間だと思っていたのに……。
普段ぼーっとしているし、猫背だし、眠そうだし…。
「あーらら、にこっちドンマイ」
「うぅ…」
「こらー!芹沢、成宮、早く計測しろ!」
体育の先生に怒られて、
私達はしぶしぶ高飛びに参加した。
なんか、明君…ちょっとカッコイイな…。
私は胸の内にふわふわした気持ちを秘めたまま、強く地面を踏み切った。


