君に声届くまで。



もしかして、怒らせちゃったかな…?
全然会話してくれなかった…。



多分、芹沢っておんなじ苗字だよね。

それだけで親近感がわく。


私は、今度話しかけてみようと心に誓って、希望の元へ戻った。



「にこっち!前後で座れる席ここしか空いてなかった。にこっち小さいから前でいいいよね?」



「小さくて悪かったですね!」



私は頬を膨らませる。


私は高校にしては少〜しだけ小さく、
148cmだった。

一方の希望は170cm近くて、モデル体型だから、
一緒にいるのが少し恥ずかしい。


でも、20cmなんてすぐ伸びるし!

いつか私にも希望を抜かすときが来るはずだ。

来るに決まってる!



「ふふふ、可愛いなぁ」



ニコニコというより、
ニヤニヤと笑う希望の視線を感じながら、私は席についた。