君に声届くまで。




電話口から、
単調な機会音が聞こえる。


あっ、よかった。
ちゃんとかかった。


この時間が一番ドキドキする。
誰にかけてもすごくドキドキする。


ブツっと音がして、
通話が開始された。



『……もしもし?』



電話口の奥から、
相手を伺うような聞きなれた声が聞こえた。



「もっ、もしもし!?瞬!」



『うっわ、声デカっ……て…虹心?』



「うん、私!虹心!」



瞬の声の後ろから、
ザワザワと騒がしい男子生徒の声が聞こえてくる。



『えー!瞬誰?彼女!?もしもしー、瞬がお世話になってます〜』



突然、電話の相手が変わったかと思うと、
そんな大きな声が聞こえて、
私は反射的に携帯を耳から離す。



『だァ!やめろ!……もしもし、わりぃ、どうした?』



電話の相手が瞬に戻る。

今のって、きっとサッカー部の人達だよね?

ってことは……。



「ねぇ、今、学校?」



『え?うん。シャワールームんとこ』



シャワールーム…。

たしか前に、ボランティアでプール掃除をした後に更衣室のシャワールームを使った気がする。


たしか…新校舎の地下だったっけ?


それなら、私たちがいる図書室までさほど遠くない。



「ほんとに!?ねぇ、今すぐ図書室来て!閉じ込められちゃって…」