君に声届くまで。




『充電切れちゃったんだ。これからどうしよう?』



明君は分かったというように、
コクコク頷くと、
今度は私の手を左手で軽く支えると、
右手の人差し指を手のひらに滑らせてゆく。



『うーん。とりあえず、虹心、親に連絡とか入れなくて大丈夫?僕の携帯貸すけど』



そういえば、
こんなに遅くなるなんて考えてなかったから、園長先生に連絡してなかったや…。



ん……?
園長先生?


そういえば、私、園長先生になにかを伝えとかなくちゃって思ったまま、忘れてた。

なんだろう…?

なにを言わなきゃって思ったんだっけ?


たしか…しゅ……



「瞬!!」



私は、バッと立ち上がる。

そうだ、瞬が部活に行く事を伝えなきゃって思ってたんだ!


っていうか、部活で、なおさら練習試合なんて、今の時間でも、もしかしたら学校にいるかもしれない!!


私は目の前に座る明君に走りよる。


明君は、私があまりにも大げさな動きをしたのが面白かったのか、少し笑いながら
電話画面を開いたスマホを差し出してくれた。



「えっと……瞬の電話って……」



私はうろ覚えの瞬の電話番号をプッシュする。