君に声届くまで。




『ほんとに?鍵空いてるかな?ここの図書館、7時閉館だけど』



一気に背筋に寒気が走った。

なんだって…。
7時閉館…!?


私は明君の手を握ったまま、
扉に走った。


明君は、突然引っ張られてびっくりしたのか、
握られた手にギュッと力が込められる。


人の体温って、
こんなに暖かいんだ…。


しみじみと感動していると、
扉の前につく。

私は繋いだ手と反対の手で、
引き違いの扉を勢い良く右に引っ張る。


けれど、扉はびくとも動かなかった。



「えっ、ちょっ…はっ!?」



何度も力を込めるけれど、
多少ガコガコと音がするだけで、
開く気配はない。

鍵を探すけど、
どうやら中からは開閉できない仕組みらしい。


前後に設置された扉を両方開けてみたけれど、窓1つすら施錠忘れはなかった。



「どっ…どうしよう…」


私は脱力してイスに腰掛けた。

明君も、私を見かねて困ったような顔で目の前のイスに浅く座った。


っていうか…明君と会話しようにも、
私のスマホ充電ないんだっけ……。


私は、たくさんの物を詰め込んで
大きくなったブレザーのポケットを漁る。


めっ、メモ帳すら入っていない……。


明君とたくさん話したいと思って、
ブレザーにメモ帳を入れ替えた日から早2週間。


女子力皆無でガサツな私が、
使ったものを定位置に戻さないことがここで裏目に出るなんて……。


私は、机に乗り出して、
また明君の手を取った。