君に声届くまで。




「あっ」



図書室の本の整理中、
ある本が目に留まって、
手を止めた。


隣にいた明君も、
不思議そうに私の手元を見つめていた。



『どうしたの?』



明君がスマホを操作して、
私にLINEを送ってくる。



『この小説、瞬がよく読んでるんだよね〜。面白いのかな?』



その小説は、
小さな文庫本で、
" 片道切符 " という題名の小説だった。


表紙も切符の写真だけで、
イマイチどういう内容かは分からない。

だけど、瞬が何度も読んでいるのを目にしていた。



『それ、僕も読んだことある』



明君から返って来た返事は、
意外なものだった。



『ほんとに!?そう言えば、明君よく本読んでるもんね!』



明君が、休み時間になる度に読書をするのを、私はよく目にしていた。



『うん。恋愛小説だよ』



その言葉に、
私はスマホを落としそうになった。


恋愛小説!?

瞬が!?

明君が!?