君に声届くまで。




その時、
後ろから肘あたりのブレザーを
ギュッと引っ張られた。


ハッとして振り返ると、
目の前に男子制服が見える。


私はそのまま顔を少し上げる。


その長身はジッと私を見つめていた。

もちろん明君だ。


雰囲気は優しいのに、
私の背が小さいからか、
とても強そう(?)に見える。


なんか、身長差って…
高い壁だ。



明君が、クイクイと指で差して、
掃除に行こうと合図する。



私もコクコクと頷く。


さすがに、2週間も一緒に過ごしていれば、
明君とのコミュニケーションの取り方も分かってきていた。



だけど、

身長差以上に、

言葉が伝わらない以上に、


私たちの間には、

歪な大きな壁がある気がしていた。



まだ、その存在は分からないけど、
その壁は、きっと大きい。