「えっ?掃除来ないの?」
「わりぃ。サッカー部の練習試合。人数少ないみたいで…」
テストのペナルティである図書室掃除が始まって早2週間。
放課後、
みんながぞろぞろと帰っていく中、
一人机を整頓していると、
瞬が私に申し訳なさそうに頭を下げてきた。
瞬は帰宅部だけど、
1年の時から運動面では何かと目立っていて、
その部活生よりもいい記録を出しちゃったりして、
いろんな部活の助っ人として大会や練習試合に出ることが多かった。
「うーん、いいけど…」
私は渋々了承する。
実は、今さっき、
希望にも同じようなことを言われたばっかりだった。
『ごめん!にこっち!バレー部行かなくちゃならなくて…』
希望も、すっごく運動神経がよくて、
部活生よりも目立った存在だった。
運動神経が皆無な私にとって、
すごく羨ましいことだった。