その時、
机に伏せていたスマホが、

床に落ちた。



目を細めながら電源をつけると、

LINEの着信を知らせる画面が広がっていた。


誰だ……?


送信者を見ると、

そこには、芹沢虹心の文字。


まだなにかあったのかな…?


僕はトーク画面を開いて、
ふふっと笑った。


Good night と書かれた、
猫のスタンプが送られてきていた。



あぁ、なんだか、
調子が狂う。



彼女は暖かかった。

太陽のようで、
向日葵のようで。


僕は、
初めて、
少しだけ、



耳聞こえたなら。



そう思っていた。