僕はスマホを机に伏せると、
そのままボーッと目の前を見つめた。


部屋には、虹心からもらったクッキーの匂いが、
ほんのり漂っていた。


" 友達 "


それは不思議な関係だと思った。

そばにいるだけで、
嬉しいと思える。


それが、友達。


僕には、まだ少し理解が難しかった。



耳が聞こえない。


そう言う度に変わる空気、
変わる視線。


僕は、
なんのために生きてるんだ?


ずっと、
そんな疑問を抱えていた。


可哀想だね。

そんな視線にも、
言葉にも、

もう、飽きた。