君に声届くまで。




『今日はありがとう。
クッキー、美味しかった』


明君からのメッセージは、
絵文字も顔文字もない素っ気ないものだった。


だけど、
私の脳裏には、
あの笑顔が浮かんで、

なぜか、そんなメッセージさえも嬉しく感じた。

なんだろ…?
この気持ち。



『ありがとう』


そんな文字が嬉しくて。

私はついつい笑が溢れた。



でも、その次のやり取りを見て、
私は驚愕した。


明君のメッセージの下、
私が送信したであろうスタンプが載っている。

そのスタンプは、
猫が、
大好き
とたくさんのハートと共にジタバタしているスタンプだった。


どうして…?
私返信なんてしてな………



『スタンプ送っておくね』



杏ちゃんの声が、
私の記憶で再生される。

まさか、あの時……。


私は急いで弁解のメッセージを打つ。



『明君!ごめんね!違うの!さっきのスタンプは間違えちゃって…!』


すると、すぐに、


♪ ポロン ♪


と音がして返信がきた。