君に声届くまで。




「ねぇねぇ、虹心ねぇは彼氏いないの?」



「へっ?彼氏?」



杏ちゃんが、
私を見上げながら聞いてくる。


普段は私が人を見上げる側なので、
なんだか少し気持ちが良かった。

っていっても、杏ちゃんとほとんど身長が変わらないんだけどね…。



「うんっ!杏のクラスにはね、付き合ってる人が2人もいるの!」


杏ちゃんは、
大きな目をキラキラと輝かせてそう語った。


しょ、小学生にカップルが…!?

私は開いた口が閉じない。



「虹心ねぇは可愛いから、瞬にぃみたいな彼氏がいるの?」



「えっ?瞬?ないない。かっこいい彼氏かぁ。いたらいいねぇ〜」



私は杏ちゃんの髪をギュッと縛ると、
ベッドを這ってスマホを取りに行く。



「ねぇ、恋バナしよ!恋バナ!」



なんで小学生の女の子は、
何でもかんでも恋バナに持ち込もうとするのだろうか。



「いーやだ!ちょっ、杏ちゃん!」



杏ちゃんが、私の肩を掴んでスマホを取ろうとしてくる。