君に声届くまで。




「おい虹心、そっち終わった?」



「ううん。この人の本があと2冊なくって…」



目の前に立ちはだかる巨大な本棚の向こうにいる瞬に声をかける。



私のせいで1ヶ月やることになった図書室掃除の初日。


私たちは4人で図書室にバラけて、
司書の先生に言われたとおりに本を順番に並べ替えていた。


うちの担任は、
姐御肌な司書の先生に弱みを握られているらしくて、頭が上がらないらしい。


その担任のせいで、私たちは図書室掃除をやるハメになったといっても過言ではなかった。




「どの本?俺探すけど」



「うーん。えっと…なんて読むんだろ?」



私の持つ作者、作品リストには、
難しい漢字がたくさん並んでいる。


私が首をかしげた時、
後ろからトントンと肩を叩かれた。


びっくりして振り返ると、
そこには、私に本を差し出す明君。

その本は、紛れもなく私が探している本だった。



「えっ!?うそっ!なんで!?」



私は明君を背伸びして見上げる。

明君は一歩下がると、
私に本を持たせた。

そのまま軽く微笑する。


明君の笑顔って、
すっごく安心するんだよなぁ…。


ってか、明君すごい。
人の心が読めたりするんだろうか。