「と言うことで、こちら芹沢虹心ちゃんで〜す!」
食卓に、明君のお母さんの柔らかい声が響いた。
「いっえ〜い!」
場違いなほど盛り上がる2人に、
明君はこの上ないほどの冷たい視線を送っていた。
『ごめんね、こういう親なんだ』
明君からのメッセージにクスリと笑ってしまう。
『ううん、すごく楽しい!』
本当に、楽しかった。
私には施設のみんながいるけれど、
こうして”家族”という枠組みの中で食事を摂るのは初めてだったから。
「にこにこちゃんはLINEやってる?よかったらおじさんとLINEしようよ」
「虹心ちゃん、遠慮しないでどんどん食べてね」
お父さんを無視するかのように、
お母さんが割り込んできた。
本当、仲が良すぎる家族だ。


