待ち合わせ15分前。
私は既に待ち合わせ場所に着いていた。

緊張して、早く家を出すぎてしまった。


「はぁ…どうしよう…」


不安を呟けば呟くほど、
心臓がさらに飛び跳ねた。

待ち合わせ相手を待っている時間って、
すごくドキドキする。

しかも今日は、
明君……。

どうしよう…。
前髪、崩れてないかな?
洋服、ちゃんと似合ってるかな?

緊張で前髪を執拗に触っていると、
後ろから優しく肩を叩かれた。


ビクッとして振り返る瞬間に、
私の鼻をくすぐった優しい匂い。

すぐに分かる、
明君だ。