君に声届くまで。




「あぁ…でも、もし虹心に振られたら、俺たちは今まで通りいられなくなるのかな」



「ひぃぃ!!?」



俺の思っていることと全く同じ天の声が聞こえて、

俺は、素っ頓狂な声をあげてベッドから飛び起き後ずさった。


声の聞こえた方に向くと、
この施設の卒園生の橘 柊さんがいた。



「しゅ、しゅ、柊さん!?何してんすか!?」



俺は、未だにガタガタ震えたまま、
回らない舌を一生懸命に動かす。



「あはは。瞬、驚きすぎだよ〜」



柊さんは、いつもと変わらない満面の笑を浮かべている。



「お、驚かせないで下さいよ…」



俺は深呼吸すると、ベッドに戻って座る。



「瞬は相変わらず虹心ちゃんに一途なんだねぇ〜」



ニコニコした笑のまま、
俺の隣に何事もなかったかのように座る柊さん。