君に声届くまで。



"了、大好きだよ"


違う。
目の前にいるのは、
先生じゃない。

……母さんだ…。


"大丈夫、了は強い子よ"


2年前で止まった母さんの記憶。
目の前にいる母さんは、優しく笑った。


「母さん、僕は……」


僕は、弱いから。

弱いから、
母さんたちの死から目を背けて、
ただ、腐る事しかできない。


"ほら、了、笑って"


そう言って母さんはまた笑う。

どうして、母さんは笑うのだろう。
自分を見捨てて、幸せになろうとする僕が憎くはないのだろうか。


"幸せになってね、了。パパとママの分まで、幸せになって。大好きだよ、了────"


「──── 君、了君!」



ハッとして、
意識が戻ってくる。

目の前にいたのは、
母さんじゃない。

先生だった。