そういえば、
母さんは先生のように、
いつも僕を優しく包み込んでくれた。
どんなに失敗したって、
"お母さん、了が頑張っていたのちゃんと見てたよ"
いつもそう言って、
僕を怒ったりなんて1度もしなかった。
母さんは、この2年間、
僕を見てくれていたでしょうか?
「家族に、なろうよ…。了君…」
背中に背負った重い十字架が、
いつの間にか消えた。
ずっと、幸せになりたかった。
ずっと、笑っていたかった。
本当はずっと、
母さんの大好きな僕のままで、
ずっと、ずっと、いたかったのに。
「僕も…幸せになって……いいのかな」
「いいのよ、了君。いいんだよ」
弱虫な僕は、
あの日から一歩を踏み出す事ができなくて。
自分が、大嫌いでしょうがなかった。
父さんに守られて、
母さんを助ける事が出来なくて、
本当に、弱虫な自分が、
大嫌いだったんだ。
「了君が変わる必要なんてない。先生は、どんな了君でも大好き」
涙と雨でビショビショの先生が顔をあげた。


