君に声届くまで。



「了君、違うよ。了君は、幸せになっていいのよ…!」


先生だ。
懐かしい、母さんに抱きしめられている感覚に陥る。

先生の茶髪から滴り落ちた水滴が、
僕の頬を濡らした。


「親は自分を犠牲にしてまで、子供を守るの!それが親なの!大好きだから、幸せになってほしいから…!!」


先生の腕が、
ギュッときつくなった。

熱を込めた先生の言葉が、
胸に何度もこだました。


"了、ありがとう。大好きだよ"


母さんの最後の言葉が、
僕の頭で何度も駆け巡る。


母さん、僕は今、
母さんの大好きだった"僕"でいられているでしょうか?


"しっかり前を見て、生きなさい"


母さん、僕は今、
前を向いて生きれているでしょうか?


「了君のお母さんは、了君の事をちっとも恨んでなんかいない!!
それどころか、あなたに生きてほしくて、了君に、自分の未来も全て託したの!」