君に声届くまで。



でも、それでもよかった。

私は、養子にもらうなら、
絶対に了君がいいと旦那と話していました。

教師としてではなく、
1人の人間として、母親として、
了君を一生面倒みたいのです。

了君の笑顔を、あのまま、
無かった事にはしたくないのです」


私たちは、
静かに神崎さんの話に耳を傾けていた。


県内の施設を何軒も回って…。

了君の笑顔を、
もう1度。


「私は、了君以外でしたら、子供は要らないとさえ思っています。了君を幸せにする自信はあります。
だから、お願いです。
了君を、1回泊まりにくるだけでも、説得してもらえないでしょうか?」


深く頭を下げられて、
私と瞬は目を見合わせた。

神崎さんなら、
絶対に了君を幸せにしてくれる。

けれど、どうやって了君を説得すれば…。


「分かりました。俺たちからも言ってみます」


瞬も私と気持ちは同じらしく、
緊張した顔で頷いた。

何か考えがあるのだろうか。
また、拒絶されたりしないだろうか。