君に声届くまで。



「あなたたち、ここの施設生ですか?」


優しい声でそう問われ、
私は瞬と視線を合わせた後、
こくりと頷いた。


茶髪のボブと、太めの眉、丸い形をした大きな目。

あれ…?
どこかで見たこと……。


一生懸命に思い出そうとしていると、
瞬が口を開く。


「あの…神崎さんですか?」


瞬の言葉に、女性の目が更に大きくなる。


「あ、園長から、了の話を聞いて…」


その言葉で思い出す。

この前、園長先生に1枚の写真を見せてもらった。

了君の養子縁組希望の夫婦の、
幸せそうな、写真。

その、奥さんの方だ。