君に声届くまで。



確かに、
俺たちは本当の家族なんてものを知らない。

全て、想像でしかない。


了は、施設に来て2年。
1度も笑っていない。

どんなに面白いものを見ても、
どんなに嬉しいことがあっても、

1度だって笑ったことはなかった。


了から笑顔が消えたのは、
その大きな存在が、家族が、
いなくなったからじゃないのか?


「そう…だよね……。私たち、家族を知らないんだもんね…」


虹心の呟きに、
何も言えなかった。


「虹心……」


虹心は微かに肩を震わせたまま、
そのまま自室へと向かってしまった。


怒涛の1日が、
終わろうとしていた。

そして、始まる、
新しい明日……。