「了、開けるよ」
ノックをしても返事がないので、
扉を開けた。
珍しく、鍵がかかっていない。
扉の先には以前と同じ、
暗い部屋でパソコンへ向かう少年が1人。
「おい、了」
ヘッドホンから何か流しているのか、
声をかけても聞こえていないようだった。
俺は溜息をつくと、
ズカズカと部屋に入った。
しょうがなく、ヘッドホンのコードをパソコンから引き抜く。
ザザザ…と大音量で砂嵐が流れた。
本当、こいつ、なんで砂嵐ばっか……。
「何」
了はヘッドホンを首へ下げると、
心底不機嫌そうな顔で俺たちを見上げた。
「お前…なんで養子断ったの…?」
俺の問に、長い髪の隙間から覗いた了の右目が細められる。


