君に声届くまで。



「知ってる人?了君が?」


「えぇ。転校前に通っていた、了君の中学1年の頃の先生ですって。お子さんができないみたいで、ぜひ、了君をって」


中学校の…先生が。
そんなこともあるのか、
と俺は他人事のように関心した。


「了だって、本当は家族が欲しいと思っているはずなのよ。
瞬と虹心からも、それとなく言ってあげてくれない?」


綾子さんの言葉に、
俺たちは目を合わせると浅く頷いた。


了が幸せに暮らしていけるのなら、
養子に行ったほうがいいんじゃないか?


それなのに、なんで……?


俺たちは荷物を置くのも早々に、
了の部屋へ向かった。