君に声届くまで。



「どうだろう…ね…」


俺も答える。
酷く声が震えた。



施設に入ると、
この時間はいつも寝ているはずの園長夫妻がリビングで机を囲んでいた。

気持ち、空気が重い気がした。


「どうしたの…?」


虹心が、椅子に腰掛けていた園長夫人に問う。

60歳近い夫人は、ひどく疲れたような表情をしていた。


「あら、お帰り。虹心、瞬」


夫人はそう言った後、
園長を一瞥した。

どうやら、
何か重要な問題が発生したらしい。


一体、どうしたのだろう、
と首をかしげると、
園長夫人はこう告げた。


「実は、了君を養子に迎えたいという方がいらっしゃったのよ」