花火が終わった後、
俺と成宮は虹心と明と合流した。

顔を強ばらせて、
チラチラと目を合わせる虹心と明。

心配そうに俺を見上げる成宮に、
俺はただ、大丈夫、というように笑いかけた。


別方向の明と成宮と別れると、
俺と虹心の間に、
途端に気まずさが込み上げた。


施設へ歩みを進めたのは9時過ぎ。

お互い、何を話したら良いのか分からなくて、
全く会話がなかった。


虹心と暮らして18年。

今までで、1度だってそんなことはなかったのに。

ただ、
2人の間に、
虹心の下駄の音だけが空回っている。