君に声届くまで。



「大丈夫…?瞬君…」


ベンチに座ってボーッと空を仰いでいると、
隣に腰掛けた成宮が心配そうに俺を見てきた。


「ん…?あぁ、大丈夫」


口だけなのは、
自分でも分かってる。


物心ついた時から、
俺の隣には虹心がいて。

ずっと、
虹心しか見てこなかったから、

心のどこかで、
虹心は俺の隣にずっといてくれる、
という、なんの根拠もない確信があって。

だからこそ、
虹心が突然遠くに行ってしまうことが、
何よりも悲しかった。


「なんか、ごめんね」


今まで俺を励まし続けてきた成宮が、
初めて弱音を吐いた。


「何でお前が謝んの。俺は自分にムカついてんの」