君に声届くまで。



「しゅん、くん……」


繋がれた手が、ギュッときつくなる。
それでも俺は、視線を成宮に戻すことが出来なかった。


願ってた、はずなのに。

虹心が幸せになることを、
ずっと願ってたはずなのに。

なぜだか瞳が潤んで、
2人の幸せを直視出来なかった。


俺たちの背後で、
花火がうち上がった。

今までは、虹心と肩を並べ見上げていた花火も、
今では雑音以外の何者でもなかった。


時が止まった俺たちの後ろで、

ひたすらに、大きな花を咲かせ続けていた。



「瞬君」


再度名前を呼ばれて、
腕を引っ張られた。

ハッとして、意識が戻ってくる。


「近くの公園でも行こうか」


そう優しく笑う成宮に、
俺は力なく頷いた。