君に声届くまで。



「もしもし、虹心?」


5コール後、
虹心に電話が繋がった。


電話の奥からは、
騒がしい声があまり聞こえない。

ってことは、
離れたところにいるのか?


『も、もしも ─────』


声が返ってきたと思ったら、
突然、虹心の声が止まった。

電話が切れたかと思い画面を見るが、
通知中になっている。


「瞬君?どうしたの?」


心配気な成宮の声。


「分かんない…。おい、虹心?聞こえてんの?」


俺がそう聞いた時、
隣にいた成宮が、あっ…と声を上げた。


俺は訝しげに成宮の視線を追う。

そこには、よく見慣れた大小2つの背中があった。

顔を近づけて見つめ合う2人。

心の中で、
何かが溢れ出した。