「で、どうすんだ。もう花火始まるぞ」


虹心たちと別行動を始めて、
1時間が経とうとしていた。

虹心たちに別行動を提案したのは、
俺たちの方だった。
2人を応援すると、決めたから。

ずっと2人を尾行していた俺と成宮は、
ここに来て、とうとう2人を見失った。


「どこ行ったんだろう。電話してみる?」


組まれた手の力が、
少しづつ弱まっていく。


「待って!」


反射的に、
離れていく成宮の手を握り返した。


「俺が、電話するよ」


「あっ…そう?ありがと」


また、手に力が入る。
安心感に包まれた。