君に声届くまで。



土手は人も街灯も少なく、
拓けた場所で、花火が良く見えそうだった。


当たり前だけれど、
座っても明君の方が私よりも何十cmも背が高い。

私がもっと背が高かったらなぁ…。
そうしたら、もっと近づけた気持ちになるのに…。


私は、わたあめを食べながら明君をチラッと見る。
さっきから、明君に触れる度に心臓が飛び跳ねた。

視線に気がついた明君と目が合う。
私はすぐさま視線を逸らした。


や、やっぱり、今日告白するのはやめようかな……。

そんな思いと戦っていると、
目の前にたこ焼きが差し出された。


驚いて見上げると、
明君が私に問うように首をかしげている。