君に声届くまで。



『しばらく別行動しようって……大丈夫?』


私の言葉に、
明君の長い指が、スマホの画面を滑る。


『うん。大丈夫。虹心も、いいの?』


私の名前が出る度に、
鼓動が指先にまで伝わってくる。


『私も平気だよ!どうしよっか?』


花火の打ち上げ時間まで、
あと1時間くらいある。

私たちは出店を回ることにした。


「あ!金魚すくいだ!」


私は金魚すくいの出店の前で足を止めた。


『行ってみようか』


明君の言葉に、大きく頷いた。


『うわ~!可愛い~!』


巨大な水槽の中には、
たくさんの金魚が泳いでいた。
オレンジ、赤、黒、白……。

どれもすごく可愛い。