『もしも~し』
電話口から、
瞬の気が抜けた声が聞こえてくる。
「瞬?どこにいるの?」
瞬の声の後ろから、
騒がしい声が聞こえてくるから、
この近くにいるのは確かだけど…。
『うん?あ~、どこだろうね、ここ』
「え?どういうこと?瞬?」
瞬は、どこかいつもと違った。
何かを隠すように間延びした話し方をしている。
『俺たちも迷っちゃって、場所がよく分からないから、しばらくの間別行動しようか』
瞬の言葉にびっくりする。
べ、別行動…!?
そんな事したら、私………。
明君をチラリと見る。
目が合った明君は、ん?
というように首を傾げる。


